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株主・投資家の皆様へ

動き出した市場環境に適応して確実な成長へ

代表取締役社長 堤 忠彦

株主ならびに投資家の皆様には、平素より当社グループの事業運営に対して、深いご理解とご支援を賜り、厚くお礼申しあげます。
第73期は、過去最高の手持ち工事額530億円強をもってスタートしました。ここ数年間は潤沢な手持ち工事を確保しながらも、順調な進捗フェーズに移行することが難しく売上高の伸びに苦慮する状況が続きました。今年度は、土木事業においては大型の手持ち工事が準備工事段階から本格的な本体工事に着手して順調な進捗局面に移行したこと、また建築事業においては新型コロナや原材料高騰の影響を受けて停滞していたマンション需要などが急速に回復し、工場製品を中心に事業量が前年度を大きく上回り、中間期においては150億円に迫る直近5ヵ年での最高額を達成しました。今後はこの流れを維持しながらも、大きな変動を避けた安定的な稼働状況を確保していくことが重要です。一方利益面においては、労務費や原材料費の高騰が土木建築両事業に共通に引き続き影響を及ぼしていることに加え、急激な生産量の増加に対応するための施工・製造体制構築に通常以上の原価の投入を要したことが採算性の悪化に影響しました。今後は計画通りの期末業績の達成に向けて安定的な稼働状況をつくりあげていくことが課題であり、確実に対応してまいります。
さて、VISION2030の中間ゴールとした2026年3月期での業績目標である売上高350億円、営業利益率5%の達成までの期間は、残すところ1年半となりました。これまで、堅調な市場環境を確実に事業として取り込むために主要な経営リソースである「ヒト・モノ・カネ」の拡充を進めてきました。しかし、ソフト、ハード両面で様々な施策を実行するなかにおいて、社会的な課題である人口減少社会を背景とした担い手不足が人材の確保に大きく影を落としていることは否めません。このような状況のなか、2024年問題への対応と合わせ、生産性を確保するための施策として国が提唱する「i-construction2.0」*の実行、そして工事利益改善PJによる高収益性に向けた諸検討、財務体質の健全化に向けた資本政策、そして引き続き職員の確保・育成に向けた「リ・ブランディング推進活動」を進めて引き続き経営環境の改善を実施してまいります。
株主様をはじめとするステークホルダーへより丁寧に対応することを目的とした東証の求めに対し、「資本コストや株価を意識した経営の実現への対応について(2024.5.15)」を開示しました。ここで示した施策と経営指標の目標値の実現を目指し、株主様の価値向上など会社の健全な経営と成長に向けた施策を継続していきますので、中長期的な計画へのご理解を賜りますとともに、引き続きのご支援を賜りますようお願いします。

*:2040年度までに建設現場の省人化を3割、すなわち生産性を1.5倍向上することを目指し、「施工のオートメーション化」、「データ連携のオートメーション化」、「施工管理のオートメーション化」を3本の柱として、建設現場で働く一人ひとりが生み出す価値を向上し、少ない人数で、安全に、快適な環境で働く生産性の高い建設現場の実現を目指して、建設現場のオートメーション化に取り組むもの。

代表取締役社長堤 忠彦

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