エクストラドーズド橋
1.概要
- エクストラドーズド橋とは、エクストラの「範囲外に(主桁の外に)」と、ドーズドの「補強された」に由来した橋梁です。つまり、主桁の外に補強材であるPC 鋼材を配置した構造です。それだけ聞くと斜張橋との区別がつきにくく、ランドマーク的(観光スポットなど)要素が強い点からみれば類似点が多く、「斜張橋=エクストラドーズド橋」と思われる方もいるかもしれませんが、以下のような特徴があります。
- 一般的には、斜張橋より支間長が短い橋に採用されており、橋脚上に設置された主塔の高さは斜張橋の1/2程度となります。また、エクストラドーズド橋は橋梁全体の剛性として斜材と主桁の剛性で確保するため、主桁のみで剛性を確保する通常のPC桁橋と、斜めに緊張した斜材で剛性を確保するPC斜張橋との間に位置する構造形式となり、全体剛性が大きく、たわみが小さい特徴があります。架設方法としては、張出架設工法や固定式支保工などがあります。
- また、斜版橋と呼ばれるエクストラドーズド橋の斜材をコンクリートで覆った橋梁もあり、振動が少ないことから鉄道橋にも採用されています。
菰野第二高架橋の完成後全景
2.特長
- PC桁橋とPC斜張橋の中間的な規模の橋に適しています。
- 斜張橋と比較して主げた剛性が大きいため、通常のけた橋と同様な管理方法(たわみ管理)で片持架設工法が可能です。
- 斜張橋と比較して活荷重による斜材の応力変動が小さいことから、斜材の応力制限値を大きくとれます。
- 斜張橋と比較して主塔が低いことから、耐風安定性に優れています。
3.施工実績
- 新名神高速道路 菰野第二高架橋
- 南筑橋
- 九州新幹線 川内川橋梁